足の当てる位置
基本は上足底…親指の付け根を使う。
靴を履く時に、地面をトントンとやる所、あそこの事。
角度が直角になってると下から擦るかたちになって当たらないから、地面から相手までの軌道は直線で結ぶ。
蹴り終わりに爪先がまっすぐ伸びてると相手に深く入る。
いちばん有名であろう、背足の蹴り。
足の甲で相手を蹴飛ばすんだけど、正直あまりお勧めしない。
靴とか履いててもケガしやすいのに、素足でやったらもう…
肘や膝で止められたら立てなくなって詰んだりする。
細い骨の集合で皮も薄いから、鍛えるにも限度がある。
だから、廻し蹴りなどは「足首より上」の太い骨を当てる。
多分漠然と廻し蹴りをイメージするより、かなり相手に近づかないと当たらないと思う。
その間合いがこわいからこそ、皆爪先で擦るような廻し蹴りを当てて満足してるんだね。
じゃあ、足の甲は使わないのか、というとそんな事もなく。
力を入れないで蹴り抜いて、鞭のように巻きつけると特に下段では効果が高くなる。
足の小指側の縁。
足刀とか、蹴込みとかいう蹴り方で使う。
ほぼ横蹴りのかたちだけど、内回し蹴りとかでもこのかたちになる。
これも小指の骨を当てるのではなくて、足の裏に近い方を切れ込み入れるように当てる。
横蹴りで、足の裏やかかとを当てる人を見かけるけど、バランスがとれんと思うよ。
蹴った側が押されて動いてたら相手は痛くも何ともないと思わんかね?
拳と同じで、当てるまでは力抜いて最後の「極め」で集中して突き込むのよ。
かかと。
円踵(えんしょう)とも。
後ろ蹴り、かかと落とし、踏み付けなど色々使えるけど、よく見かけるのは後ろ廻し蹴りかね。
丈夫な部位だから、当てていけるんだけどアキレス腱には注意。
調子乗って筋で当てると年単位で動けんで。
慣れないとやらん方が良いのは、爪先。
貫手みたいに爪先でも蹴れるんだけど、慣れんと指折るだけよ。
まあ鍛えんでも親指使えば誰でもできるんだけど、まあやらん方が無難よね。
でもあるのは知っとかんと、やられたら危ないから。
手形の紹介
正拳
4本を折り曲げていき、固めた上で親指で人差し指を押さえる。
小指と親指で他の指を整えて締め、人差し指と中指の付け根の間で刺すように打つ。
…言葉にするとなんか違う。
私が大事だと思うのは、親指と人差し指をしっかり固める事。
小指は他の指を整えるためにある。
もうひとつ。
握り込んだ指と手のひらの間に、空間を意図的に作る。
当てた時に潰れて威力を増すために。
手刀
水を掬うように、両手を合わせて…自然に湾曲した状態で、親指を「下に引き付ける」。
指はそれぞれ重ならないようにする。
当てるのは小指側の縁、一番肉の厚い掌底の部分。
裏拳
握り拳の手の甲側を、手首のスナップを効かせて正拳と同じ、指の付け根を当てる。
貫手
「使えるようにするなら」フォークをイメージする。
指を湾曲させ、人差し指を中心に指を揃え、手首と指を伸ばすバネを効かせて、刺し込む。
あるいは、触れた所からドアノブを回すように親指を中心に食い込ませていく。
背刀
来ないと思う方向からの打ち。
人差し指側の縁で打つ。
親指は手のひらと揃えておく。
一本拳
人差し指を立てて曲げ、残りの畳んだ指と親指で固める。
ナックルパート…付け根でなくて、第二関節で突く。
振り打ちなどで引っ掛けるようにも使う。
鉄槌
握った拳の小指側で打つ。
振り回したり、変則的な打ち方ができる。
平拳
第二関節で折り曲げて突く。
防御などを抜く時に使うけど、グローブ嵌めると無意味。
熊手
指をばらけさせて、掌底を打ちながら握り込む。
掌底自体も泥を擦り付けるように打つことで威力の高い攻撃になる。
鶴頭
手首を曲げて跳ね上げる。
見えない所からの打ちや、跳ね除けなど、使い勝手がいい。
接近戦での打撃法だし、貫手との相性もいい。
短いけどこんな感じ?
■
基本の稽古はこれで一通り。
でも、これだけでたぶん一時間ほどはかかるんじゃないかと。
その後に、補強として筋トレや組手など対人練習をやっていく。
飛んだり跳ねたり走ったり柔軟したりも、ここに入る。
だいたい人によってやり方が分かれるんじゃないかな。
とにかく対人練習をメインとする人。
型稽古など理詰めで稽古していく人。
体力作りを重視する人。
とまあ、重視するのは有れど…それなりに交差しつつやっていけばいいんじゃないかと。
人数が居れば少数グループに分かれてテーマ決めていけばいいし、
居なければ習いたいものを提案してそれに沿っていけばいい。
簡単に書けばお稽古とはこんな流れだけど…地味でつまらないと思うんだろうか。
どのみち、
「ある程度は」体も作れて、技も覚えて、人慣れもしていかないと、派手な事にはならんと思うよ。
しかも、ある程度が過ぎても、基礎を怠る人は必ず行き詰まる。
振り返るベースが無いからよ。
いつまでもついて回って、増える事こそあれ減る事なんて無いのが基本稽古よ。
移動稽古
基本の動きが済んだら、移動稽古に入る。
しっかりそれぞれの立ち方で立ち、
古いやり方なら前足に体重乗せつつ後ろ足を引き寄せ、押し出して体重移動する。
このやり方の良い所は、問答無用で体の使い方を学べるところ。
できるようになれば、対人用の中心軸のずらし方や体のタメの作り方だけでなく、打撃以外のための足捌きも。
とはいえ、これをそのまま使うのも効率良くないので…
新しいやり方として習ったのは、後ろ足をまっすぐ前に進める。
これは、できるなら自然に腰が切れてタメも作れるし、早いんだけど…できない人に最初にやらせると、全く理解してもらえない。
押さえないといけないコツ、やってはいけない事が多過ぎて、めんどくさい。
こんな感じで前に進みつつ、突き蹴りを連続で出していき、反転し…を繰り返す。
シャドウなどもこれに近いけど、どちらかというと後述の型稽古にもまたがっているので、そこでまとめて書く。
蹴り
基本として稽古するのは、
前蹴り
廻し蹴り
横蹴り
の三つ。
前屈立ちで構えて、両手は胸元から顎にかけて守るように置く。
そのまま、腰を上下させないで前足で体重移動をして、後ろ足で正面を蹴るのが前蹴り。
廻し蹴りはテレビなどでも見た方多いだろうから省略…ともいかんか。
あくまで基本だけど、腰の横に足を畳んで上げてから蹴る。
ヌンチャクみたいな感じで、膝下の力を抜いてコンパクトに振り回す。
横蹴りは蹴込みとも言って、体を開いて正面に体側を向けて足の小指側…縁で蹴る。
これらを左右蹴ったり、連続して移動しながら蹴ったりする。
他にも、体の使い方としての内回し蹴り、外回し蹴りや、
後ろ向きで蹴る後ろ蹴り、後ろ廻し蹴り、
膝蹴り、
上足底で蹴る三日月蹴り(廻し蹴り表)などがある。
ひとつひとつやり方を覚えるのもだけど、
「共通する体の使い方」を知ると、もっと楽しくなるかも。
膝蹴りも廻し蹴りも前蹴りも後ろ蹴りも、後ろ廻し蹴りさえ「同じ体の使い方」というのがあるから…
まずは前蹴りでしっかりと体に慣らしてくのが近道かも。
そして大事なのは、手のように器用に動かせるように意識する事。
威力も大事だろうけど、元々足は手より力はあるので、当てることに焦点置いた方が使い勝手が良くなると思う。
打ち
突きが終わったら、今度は打ち。
手刀で払い受けするんだけど、裏拳以外は同じ使い方でいける。
じゃあ裏拳は?というと…実は似たような使い方でいける。
…同じと似たような、なんか違いあるん?と言われると、
裏拳は「鞭」というか「濡れタオル」、
手刀や腕刀、背刀、鉄槌は名前の通り「叩いて攻撃する」…かなあ?
体の使い方としては、本当に大差無い。
腰できっかけを作り、下半身からの捻じりを上半身で旋回に変え、反対方向に切った反作用で腕に伝えていく。
…まあ、こう言っても判らんので。
最初は大きく腰を捻じってかたちから覚えていく。
ちなみに、これは突きも蹴りも変わらんから、上達はこの辺の感覚の掴み方次第だね。
基本で習う手刀払い受けは猫足立ちで行い、最小限の動きで自分の体から攻撃を外していく。
背刀は親指側を巻き付けるように打つし、腕刀は小手受けでの攻撃だね。
鉄槌や裏拳は、変化させやすいので打撃に織り込んで使うと当てやすい。
最初は分からないだろうけど、
猫足立ちで彼我の位置関係を調整して、自分の優位を確保するのが防御のコツとなる。
それには、基本でしっかりやれるようにならないと…ばたばた組手で慌てることになるよ?
突き
立ち方をやったら、今度は突きを習う。
まずは真っ直ぐ正面を突く「正拳突き」。
一番イメージされる技だろうけど、一番使うのが難しいから最初に習うんだと思う。
その場で四股立ちになって正面を突く、
前屈立ちになってみぞおち辺りを突く、
前屈立ちで顎辺りを突く、
(立ち方の詳細はここでは省略)
これを左右繰り返すのが基本となる。
前に出た足側の手と後ろ側の手とでは呼び方が違い、
前の手(前に出た足側の手)は順突き、移動しての突きなら追い突き。
後ろに引いた足側の手なら逆突きと言われる。
威力が欲しけりゃ拳をなるだけ脇に引き付けて上に構え、
防御など素早く打つためには、腰辺りで低く構える。
拳を前に出す前に、反対の手を引いて体の捻じりを使うようにするといい。
他にも色々気をつける所はあるけど、まあ紹介程度で。
他には鍵突きや下突きがあるけど、基本としてはあまり練習されないかな。
鍵突きは現在の試合ルールで使いにくく、下突きはフルコンタクトルールで発展したものを言うし。
逆に言えば、護身というなら積極的にやるべきものでもあるけど…ここではあるよ、というだけで。